【CES1】 中国自動車に関する雑感

[以下、海部美知のブログより転載]

今年は珍しく、すでにCESの準備を始めています。(理由はのちほど。)毎年、CESでは中国企業の存在が大きくなっているわけですが、どう考えてもアメリカで本気で売る気がないと見える出展企業が多く、「これは、出展を理由にすればビザが取れるとか、補助金をせしめるとか、そういった中国的な事情なんだろうな・・」と思っておりました。またシリコンバレーで一般的に中国ベンチャーや中国資金の動きは、やはりアメリカや海外市場ではなく、中国市場だけをターゲットにしたものに向かう傾向が強く、「新手のガラパゴス」に見えます。

ですので、世間的に流布する「中国スゴイ論」と「中国たいしたことない論」の間でどう見るべきなのか、自分としてはいまひとつ理解できずにおります。

そんな中で、相変わらず2019年のCESでも中国企業の出展は多く、最近の中心話題である「自動車」界隈でも、中国のEVメーカーが多く出展します。

中国系EVメーカーといえば、2016年のCESで派手にデビューしたFaraday Futureを思い出す方も多いでしょう。本社と工場はロサンゼルス郊外ですが、創業者も資金源も中国系という「アメリカの皮をかぶった中国系」メーカー。その後、製造を始めたとの発表と、しかし資金難や投資家とのトラブルで風前の灯状態、などと迷走していましたが、最近新規資金を調達したとの情報もあります。

 Faraday Future FF91

-Faraday Future

現在のところ、中国製自動車の米国への輸入はほとんどなく(欧米メーカーの中国製造のものがわずかに入っている程度)、アメリカから見ると、中国の自動車といえば「あやしい」と思えてしまいます。

しかし、中国の自動車市場は2017年で2900万台(販売および製造がほぼ同数)、アメリカの1.7倍なのだそうです。ちなみに日本は2017年で523万台で、桁が一つ違います。中国の国内自動車メーカーは、ウィキペディアで確認できるだけで数十社あります。中国政府は、輸入制限はもちろんのこと、日米欧の既存メーカーとガチンコ勝負にならないEVには、メーカーにもユーザーにも補助金を出しています。そして、中国は現在まさにモータリゼーションが進行中、今後もまだまだ、台数は増えるのです。

80年代の「日米貿易摩擦」真っ最中に自動車メーカーに在籍した私から見ると、あの頃の日本に似てるな、と思う部分があります。あの頃、日本車が世界に進出できたのは、日本市場がアメリカよりもやや遅れて急成長期にはいったことと、「省エネ」という技術改革が必要だったことという、ふたつの時代の追い風もあったのだなぁ、という感慨であります。

しかし日本の場合は、アメリカが「不公平だ日本市場にアメリカ車も入れろ」といったところで、市場規模がそれほどでもなかったのですが、中国の場合は自国市場が気が遠くなるほど大きいという、圧倒的なアドバンテージがあります。同じガラパゴスでも、日本と中国は質が違い、追い風もかなり色が違います。

中国国内の激烈な競争のせいか、違いを出すために米国市場に出ようというベンチャーもぼちぼち出現しており、いずれもファラデイのように「アメリカの皮」をかぶっています。一方で、最近はこうした莫大な中国市場に参入しようと、「中国の皮をかぶった欧州ベンチャー」とおぼしき例まで出現しています。

製造業では、やはり「数は力」なのだなぁ、と改めて思います。

・・というわけで、CESでのベンチャー探索プロジェクトの案内は、トップページまでどうぞ。

(筆: 海部美知)

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